現場の実務

手袋をしてはいけない作業がある|素手が怖いときにできること

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「手袋外して」って言われるんですけど、素手で切粉さわるの、正直こわいです……。
ハル
アヴァン
その感覚、正しいですよ。しかも法令のほうも「素手で我慢しろ」とは書いていないんです。

「その作業、手袋外して」

そう言われたこと、ありませんか。

言われたとおりに外す。でも、素手で切粉をさわるのは正直こわい。手は切れるし、加工したばかりの部品は熱いし、油で滑る。

かといって「なんでですか」とも聞きづらい。忙しそうだし、聞き返すと反抗しているみたいに見えそうで。

ただ、私には逆の経験もあります。

ずっと前ですが、「こんな薄い手袋、つけている意味あるのかな」と思ったことがあって。外したほうが指先も効くし、そのほうが速い。だから外してやっていました。

そのとき、手が機械に当たったんです。当たったというより、勢いよく擦っただけ。それなのに、けっこう血が出ました。

薄いから意味がない、ではなかったんですよね。 あるとないとでは全然違うと、そこで初めて分かりました。

だから正直に言うと、「手袋を外して」と言われたとき、私はすぐには納得できませんでした。守ってくれるものを、なんで外さないといけないんだろう、と。

私も現場で働いていますが、「なぜ手袋がダメなのか」を理由まで説明してもらったことは、正直ありません。 たいてい「危ないから」で終わりです。だから自分で条文を読んでみました。

先に結論を書きます。

禁止されているのは「手袋」そのものではなく、「回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある場面」です。

だから「うちの工場は手袋禁止」ではないし、逆に「手袋をしないといけない作業」もあります。道具の話ではなく、場面の話なんです。

この記事では、条文に実際に何が書いてあるのか、自分の作業がどっちなのかをどう判断すればいいのか、そして「素手が怖い」と思ったときに何を頼んでいいのかを書きます。

まず結論:禁止されているのは「手袋」ではなく「場面」です

根拠になるのは、労働安全衛生規則(安衛則)の第111条です。条文はこうなっています。

事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない。
2 労働者は、前項の場合において、手袋の使用を禁止されたときは、これを使用してはならない。

労働安全衛生規則 第111条(手袋の使用禁止)

読むと分かりますが、「工場では手袋を使ってはいけない」とは書いていません。書いてあるのは、回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのあるときという条件つきの禁止です。

つまり、判断の順番はこうなります。

判断の順番


その作業で、刃物(や回転している部分)に手が近づくか
近づくなら、巻き込まれるおそれがあるか
あるなら、その場面では手袋を使わない

「手袋=悪」でも「素手=正義」でもありません。作業の場面ごとに、向き・不向きが決まっているという話です。

先輩に「外して」と言われたのは、あなたの仕事ぶりを否定したかったからではなく、たぶんこの場面のことを言っています。

素手が怖いのは、あなたが神経質だからじゃない

ここ、多くの記事が飛ばすところなので先に書いておきます。

素手が怖いのは、当たり前です。

  • 切粉は本当に手が切れる。細いものほど刺さる
  • 加工直後の部品や治具は熱い
  • 油やクーラントで滑る。滑ると余計に力が入る
  • 手が荒れる、あかぎれになる

これを「気にしすぎ」だと思う必要はないです。実際に危ないから怖いんです。

さっき書いた私の話も、たぶん同じです。薄い手袋を軽く見ていた自分が、外した瞬間に血を見た。 手袋が守ってくれていた分は、外すまで見えないんですよね。

なのに検索して出てくる記事は、だいたい「必ず素手で作業すること」「教育を徹底しましょう」で終わっている。書いている人は、たぶん切粉をさわる側の人ではありません。

だからこの記事では、そこを飛ばさずに書きます。素手が怖いという感覚は正しくて、そのうえで、手袋以外に守り方があります。

条文には何が書いてあるのか(安衛則111条)

もう少しだけ、条文を細かく見ます。ここが分かると、現場での判断がだいぶ楽になります。

条件は3つだけ

  • 回転する刃物であること
  • 作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれがあること
  • そのとき、手袋を使用させてはならない

逆に言えば、手が刃物に近づかない作業は、この条文の話ではありません。 部品を運ぶ、箱に詰める、機械が完全に止まった状態で段取りをする——そういう場面まで「手袋禁止」とは書かれていないんです。

条文は「素材」について何も言っていない

これがいちばん誤解されているところだと思います。

ネットの質問サイトを見ると、「軍手はダメだけど皮手袋ならいいですか」「耐切創手袋なら大丈夫ですか」という質問がたくさんあります。回答は人によってバラバラで、読んでも結局分かりません。

ここが分かれ目


条文に戻ると、素材のことは一言も書かれていません。 書いてあるのは「手袋を使用させてはならない」だけです。

この条文が防ごうとしているのは巻き込まれであって、切れることではないからです。丈夫な手袋ほど、引っかかったときに簡単には破れません。破れないぶん、手ごと持っていかれます。

つまり「もっといい手袋にすれば解決する」という方向の答えが、この場面には存在しないんです。

2項は「働く側」に向けて書かれている

見落とされがちですが、111条には2項があります。禁止されたのに手袋を使うことは、働く側のルール違反にもなるという書き方です。

これは脅しではなくて、逆の意味で読んでほしいところです。「外して」と言った先輩は、自分の好みでそう言っているわけではないということです。言うほうにも根拠があります。

なお、違反したらどうなるかという話は、この記事では扱いません。職場ごとに運用が違いますし、そこを気にしても明日の作業は安全になりませんから。

「ボール盤、面取り盤等」の"等"はどこまでか

条文に名前が出てくるのはボール盤面取り盤だけです。そのあとに「等」がついています。

じゃあ、旋盤は? フライス盤は? グラインダーは? 丸のこは?

ここは正直に書きます。条文には書かれていません。 私がここで「旋盤も法令上ダメです」と言い切るのは、たぶん正しくないです。

ただ、判断の軸ははっきりしています。機械の名前で決まるのではなく、「回転しているものに手が近づくか」で決まるという軸です。

実際、厚生労働省が公開している労働災害事例には、フライス盤で起きた災害が載っています(次の見出しで扱います)。条文に名前がない機械でも、巻き込まれるおそれがあるなら同じ話になる、ということです。

迷う作業があるときは


その場で自己判断しないほうがいいです。職場の安全担当者や、機械を一番よく知っている先輩に聞くのが早いですし、職場で答えが出ないなら所轄の労働基準監督署に相談することもできます。相談は無料です。

「聞くのが恥ずかしい」と思うかもしれませんが、これは知識の問題ではなく安全の問題なので、聞いたほうが強いです。

実際の事故は「加工中」ではなく、切粉を払っていたときに起きている

ここで、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」に載っている災害事例をひとつだけ紹介します。

先に言っておくと、怖がらせるために書いているのではありません。 この事例には、現場で働く人にとって大事な情報がひとつ入っているからです。

事例の概要はこうです(労働災害事例 No.542「フライス盤に巻き込まれ死亡」)。

  • 立てフライス盤で、鋳物の鉄片の端面を切削していた
  • 3面目が終わり、加工物を万力から外してテーブルの上に置いた
  • 4面目に取りかかる前、万力のあたりに散らばっている切粉を手で払っていたとき、はめていた軍手が刃物に巻き込まれた
  • 作業服の腕の部分も巻き込まれた
  • 隣で作業していた人が非常停止を押したが、被災者は亡くなった

サイトの「原因」欄には、軍手を着用していたこと、そしてフライス盤を止めないで加工物の取り外しを行ったことが挙げられています。「加工物を交換するような場合、切粉を掃除する場合などは手を刃物に近づけることになり危険である」とも書かれています。

この事例で私がいちばん重いと思ったのは、次の2点です。

この事例が教えていること


① 事故は「切っている最中」ではなく、「切粉を払っていたとき」に起きている。
つまり、あなたが「素手だと怖い」と感じているまさにその場面が、いちばん手が刃物に近づく場面だった、ということです。

② 被災した人は、軍手を2枚重ねてはめていた。
これは、手を守ろうとしていた人が被災したということです。意識が低かったという話ではないと思います。

そしてもうひとつ。巻き込まれたのは手袋だけではなく、作業服の腕でした。

安衛則には、手袋とは別に第110条という条文があって、動力で動く機械に頭髪や被服が巻き込まれるおそれがあるときは、事業者は適当な作業帽・作業服を着用させなければならない、と書かれています。袖口がひらひらしている、上着の前が開いている、髪が長いまま——手袋を外しても、そこが残っていたら同じことが起こり得ます。

出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例 No.542「フライス盤に巻き込まれ死亡」(2026年8月20日確認)

なお、「機械が動いているうちに手を出さない」という話そのものは、別の記事で詳しく書いています。異常が起きたときに止めるか迷う場面については、こちらを読んでみてください。

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「素手が怖い」は、我慢する話じゃありません

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

「手袋はダメ」と言われて、素手でやるしかない。だから怖いけど我慢する——そうならなくていいです。

というのも、切粉の危険については、安衛則にもうひとつ別の条文があるからです。第106条です。

事業者は、切削屑が飛来すること等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該切削屑を生ずる機械に覆い又は囲いを設けなければならない。ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な場合において、労働者に保護具を使用させたときは、この限りでない。

労働安全衛生規則 第106条(切削屑の飛来等による危険の防止)

注目してほしいのは、書かれている順番です。

  1. まず、機械に覆いや囲いを設ける(設備側でなんとかする)
  2. それが作業の性質上むずかしい場合に、保護具を使わせる

つまり法令の考え方は、「働く人が身につけてなんとかする」より前に、「機械側で飛ばないようにする」なんです。保護具は先ではなく、後ろに置かれています。

これを知っていると、頼み方が変わります。

言い方を変えるだけで、相談になる


✕「手袋くださいって言ったのにダメって言われた」で終わる
◯「この作業、囲いか飛散防止ってつけられませんか
◯「切粉を払う道具(ブラシやフック)ってありますか

後者は、わがままでも文句でもありません。法令が最初に想定している順番そのものです。

念のため書いておくと、これは「対策していない会社が悪い」という話をしたいわけではありません。設備にお金がかかることも、すぐには変えられないことも、現場にいれば分かります。ただ、「怖い」と言っていい、頼んでいい、という順番になっていることは知っておいて損がないです。

言えるかどうかは別として、知らないまま我慢しているのと、知ったうえで今日は我慢するのとでは、まったく違います。

「手袋ください」しか思いつかなかったです。囲いとか、頼んでいいんですね。
ハル
アヴァン
条文の順番がそうなってるので。通るかは職場次第ですけど、言っていい話ではあります。

逆に、手袋をしないといけない作業もあります

「工場=手袋禁止」と覚えてしまうと、今度は逆方向で危ないです。安衛則には、手袋を使わせなければならない側の条文もあります。

  • 第593条:著しく暑熱・寒冷な場所での業務、多量の高熱物体や有害物を取り扱う業務などでは、保護衣・保護眼鏡・呼吸用保護具などの適切な保護具を備えなければならない
  • 第594条:皮膚や眼に障害を与える物を扱う業務、有害物が皮膚から吸収されるおそれのある業務では、不浸透性の保護衣・保護手袋・保護眼鏡などを備えなければならない
  • 第594条の2皮膚等障害化学物質等を製造・取り扱う業務では、保護手袋などの適切な保護具を使用させなければならない
  • 第312条・第313条:アセチレン溶接装置やガス集合溶接装置を使う作業では、作業を行う者に保護眼鏡及び保護手袋を着用させること

このうち第594条の2は、2024年(令和6年)4月1日から使用が義務になった、比較的新しいルールです。それ以前は努力義務でした。薬品や溶剤を扱う工程にいる人は、ここ数年で職場のルールが変わっているかもしれません。

まとめると、こういう整理になります。

場面手袋は
回転する刃物に手が巻き込まれるおそれがあるとき使わない(安衛則111条)
皮膚等障害化学物質等を扱うとき使う(安衛則594条の2)
高熱物体・有害物を扱うとき適切な保護具を備える(安衛則593条・594条)
ガス溶接など保護眼鏡と保護手袋を着ける(安衛則312条・313条)

「工場では手袋はダメらしい」ではなく、「この作業ではどっちか」で覚えたほうが、現場では役に立つと思います。

ちなみに、私が血を見たのも、たぶんこちら側の場面でした。回転する刃物に手が近づく作業ではなかったのに、「外したほうが速いから」で外していた。あれは単純に、外す場面ではなかったということだと思います。

念のため


私は「手袋は要らない」と思って失敗しましたが、この記事は「だから手袋をしましょう」という話ではありません。どっちの場面なのかを見分ける、という話です。 回転する刃物に手が近づく場面では、薄かろうが丈夫だろうが着けません。

明日からできること、3つだけ

全部を今日変える必要はないです。3つだけ書きます。

① 作業の中で、着け外しのタイミングを分ける

「今日は手袋あり/なし」で決めない、ということです。

  • 回転している刃物に手が近づく場面 → 外す
  • 運搬、箱詰め、機械が完全に止まってからの段取り → 着けていい場面がある

この切り替えを意識するだけで、素手でいる時間はかなり減ります。職場のルールが先なので、まずは自分の職場でどう決まっているかを確認してからにしてください。

② 切粉は手で払わない。そして、止まってから

さっきの災害事例で起きたのが、まさにこれです。切粉はブラシやフックで、そして機械が止まってから

「ちょっとだけだから」「止めるとまた立ち上げが面倒だから」——その気持ちは分かります。ただ、あの事例で手が近づいたのも、その「ちょっと」でした。

③ 自分の作業を1つだけ、確認する

全部を聞くのは大変なので、いちばん不安な作業を1つだけ選んで聞いてみてください。

「この作業って、手袋は着けるほうですか、外すほうですか」

これは知識を問われる質問ではなく、確認の質問です。聞いて怒られる類のものではないと思います。

「周りは着けてるのに」と言えないとき

ここまで読んで、「いや、そもそも言えないんだよ」と思った人もいるはずです。よく分かります。

現場では、逆のパターンもあります。周りが全員手袋をしているなかで、自分だけ外すのが気まずい。「なんでお前だけ」と思われそうで、結局まわりに合わせてしまう。

どちらの向きでも、言い出しにくさの正体は同じです。「自分だけルールにうるさい人だと思われたくない」という気持ちです。

そういうときは、正しさを主張するより、事実 → 自分の状態 → 提案の順で言うと、だいぶ角が立ちにくいです。

言い方の3点セット


① 事実「この作業、回転してる刃物に手が近づくんですけど」
② 自分の状態「素手だと切粉で手が切れそうで、正直こわいです」
③ 提案の形にする「囲いか、切粉を払う道具ってありますか」

ポイントは、誰かのやり方を否定しないことです。「先輩は着けてますよね」と言うと、その瞬間に話が「どっちが正しいか」の勝負になります。そうではなくて、自分の作業をどうするかの相談にする。

これで必ずうまくいく、とは言えません。職場によって空気は違います。ただ、言い方を持っているだけで、言える確率は上がります。

「言えない」がずっと続いてしんどい、という人は、同じテーマで書いた記事もあるので、そちらも読んでみてください。

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ルールの"理由"まで知りたくなったら

ここまで読んで、「そもそも、こういうことを誰も教えてくれなかった」と思った人もいるかもしれません。

それ、あなたが聞き逃していたわけではないと思います。労働安全衛生法の第59条には、事業者は労働者を雇い入れたときや作業内容を変更したときに安全衛生教育を行わなければならないこと、そして危険・有害な業務につかせるときは特別の教育を行わなければならないことが書かれています。教育は、本来は会社の側の義務なんです。

だからこれは「自腹で勉強しろ」という話ではありません。そこは先に断っておきます。

そのうえで、もし「ルールの理由まで自分で分かるようになりたい」「現場系の資格を取って、できる作業を増やしたい」と思ったなら、eラーニングで学ぶという選択肢もあります。

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現場系の資格講座を見てみる|SAT ▶

※現場系の資格に対応したeラーニング講座。危険物取扱者・電気工事士・ボイラーなど、工場で手当がつきやすい資格も扱っています。まずはどんな講座があるか見てみるだけでも大丈夫です。

※資格を取れば必ず評価が上がる、という話ではありません。ただ、「なぜそのルールなのか」が分かると、現場での判断が少し楽になるのは確かだと思います。

手当がつく資格の選び方については、こちらにまとめています。

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よくある質問

軍手はダメでも、皮手袋や耐切創手袋ならいいですか?

条文は素材について何も書いていません。禁止しているのは「回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのあるとき」の手袋の使用です。丈夫な手袋ほど引っかかったときに破れにくい、という面もあります。職場のルールと安全担当者の指示を優先してください。

先輩が手袋をしたまま作業しています。注意したほうがいいですか?

人を注意するのは、立場によってはとても難しいです。この記事は、まず自分の作業をどうするかの話として読んでもらえればと思います。どうしても気になる場合は、個人を指摘する形ではなく、安全担当者や職長に「この作業のルールってどうなっていますか」と確認する形が現実的です。

手袋がダメなら、指サックやテーピングはいいんですか?

条文に指サックやテーピングの記載はありません。ただ、「回転しているものに引っかかるか」という判断軸は同じです。自己判断せず、職場で確認してください。

素手で作業していて切粉で手を切りました。どうすればいいですか?

まずその場で上司や職長に報告してください。小さな傷でも報告が先です(切粉には油や金属粉がついています)。仕事中のけがの取り扱いについては会社と保険の手続きになるので、職場の担当者や所轄の労働基準監督署に確認するのが確実です。

会社が特に何も言わないのですが、着けていいということですか?

安衛則111条は事業者に向けた条文でもあります。ルールがはっきりしないなら、それ自体を安全担当者に確認していい話です。「決まっていないから自己判断」がいちばん危ないところだと思います。

まとめ

この記事のまとめ


・禁止されているのは「手袋」ではなく「回転する刃物に手が巻き込まれるおそれのある場面」(安衛則111条)
・条文は素材について何も書いていない。軍手か革かではなく、その場面かどうか
・「等」の範囲は条文にない。機械の名前ではなく「回転しているものに手が近づくか」で判断する。迷ったら安全担当や労働基準監督署へ
・実際の災害は、加工中ではなく「切粉を手で払っていたとき」に起きている
「素手が怖い」は我慢する話じゃない。106条はまず覆い・囲い、それが難しいときに保護具という順番
・逆に、手袋をしないといけない作業もある(593条・594条・594条の2・312条・313条)
「薄いから意味がない」ではない。 守ってくれていた分は、外すまで見えない(=私の失敗)

最後にもうひとつだけ。

「なぜダメなのか」を教わっていないのは、あなたの責任ではありません。 安全衛生教育は、本来は会社側の義務です。

それでも、自分の手は自分のものです。ルールの理由が分かると、指示に従うのが「言われたから」ではなく「納得したから」に変わります。 そのほうが、たぶん現場でも動きやすいです。

今日ひとつだけ、いちばん不安な作業について「これ、手袋はどっちですか」と聞いてみてください。それだけで十分です。

明日、あの作業だけ聞いてみます。
ハル
アヴァン
それで十分です。全部を今日変えなくていいので。

この記事の出典


・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第106条・第110条・第111条・第312条・第313条・第593条・第594条・第594条の2|e-Gov法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032

・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第59条|e-Gov法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057

・厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例 No.542「フライス盤に巻き込まれ死亡」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=542

※法令・災害事例はいずれも2026年8月20日時点のものです。作業の可否の最終的な判断は、職場の安全衛生担当者、または所轄の労働基準監督署にご確認ください。

  • この記事を書いた人

アヴァン

はじめまして、アヴァンです。電子部品系の工場で働く、現役の製造業ワーカーです。ミスが怖い夜、辞めたくなる朝、なかなか覚えられなくて落ち込む日——現場で私自身がつまずいたことや、そこで見つけた小さなコツを、同じ目線で書いています。えらそうに教える場所ではなく、あなたが明日もうちょっと楽になるための「保健室」でありたいと思っています。

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