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先に結論をお伝えします。
正解は、やっぱり「止める・呼ぶ・待つ」です。ここは変えなくていい。というより、変えないほうがいいです。
そのうえで、実際に現場で迷ったときの判断の軸は、これだと思っています。
この記事でいちばん伝えたいこと
「今この場にいる全員が、同じ目的を見ているか」
目的からズレていない行動なら、そうそう責められません。逆に、目的を見失った行動は、たとえルール通りでも「なんで止まってるの」と言われます。
……ちょっと抽象的ですよね。この記事では、これを明日から使える形まで落とします。
はじめまして、アヴァンです。電子部品・コネクタ系の工場で、今も現場に立っている一人です。
この板挟み、私も何度も食らってきました。なので、きれいごとは書きません。「ルールなんだから守りましょう」で終わる記事なら、もう世の中にたくさんあるので。
ただし、ひとつだけ最初に線を引かせてください。
この記事の大前提
安全に関わることだけは、例外なく止めてください。ここは判断の余地がありません。理由は記事の中で、法律の条文つきで説明します。
待てば怒られ、やれば怒られる ― あの板挟み、気のせいじゃないです
まず、あなたが今どういう状況にいるのかを、言葉にしておきます。たぶん、こうなっていませんか。
- ひたすら止めて待っていたら、生産量がガタ落ちする → 「なんで止まってるの?」と怒られる
- 社員を呼んでも「今、手が回らないから後で行く」 → 待ち時間が延々と続く
- しびれを切らして自分でやる → 悪化させる → 怒られたうえに「なぜ止めて呼んで待たなかったのか」まで責められる
- 逆に、自分でなんとかできたら → 停止時間も社員の対応時間も減るので、喜ばれる・信頼される
この4番目があるから、余計にこじれるんですよね。
「うまくいけば褒められる」という実績があるせいで、次も自分でやりたくなる。でも外したときの代償が大きい。だから毎回、迷う。
言っておきますが、これはあなたの要領が悪いからじゃありません。ルールの建前と、現場の実態がズレているから起きていることです。
実際、同じことで悩んでいる人はちゃんといます。ネット上の質問サイトにも、「異常時は止める・呼ぶ・待つになっているけど、担当者はすぐ来ないし、時間がもったいないから進められる作業を進めたい」という、そのまんまの相談が上がっています。
そして、それに対して返ってくる"正しい回答"は、要旨をまとめるとだいたいこうです。
よくある回答(要旨)
作業者は言われたことをそのまま実行すべき。無駄かどうかを判断するのは担当者の仕事。独断で進めれば手直しになってもっと無駄になるし、命令違反でかえって怒られる。
……正論です。反論するところがひとつもない。
でも、待たされている本人の問題は、1ミリも解決していません。
「黙って待て」と言われても、生産は落ちるし、怒られるのは変わらない。だからみんな、この質問を検索するんだと思います。
この記事では、「止める・呼ぶ・待つ」を否定しません。守ります。そのうえで、待っている間にどう動けば責められにくいのかまで書きます。
なぜ「止める」だけは譲れないのか ― これ、建前じゃなくて法律の話です
まず、いちばん大事なところから。
「止める」は、現場の心得やスローガンではありません。国のルールで決まっている部分があります。
労働安全衛生規則という省令の、第107条にこう書かれています。
(掃除等の場合の運転停止等)
第百七条 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。
固い文章ですが、要点は2つだけです。
- 掃除・給油・検査・修理・調整のときに危険があるなら、機械を止めなければいけない
- 止めたら、他の人が勝手に動かせないように、起動装置に鍵をかけるか表示板を付ける
そして、ここからが本題です。
「ちょっと詰まりを取るだけ」が、まさに法律の言う「調整」です
条文にある「調整」って、なんだか大がかりな作業に聞こえませんか。設備屋さんがパラメータをいじるような。
違うんです。厚生労働省が出した通達(平成25年4月12日付 基発第0412第13号)には、「調整」の中身がこう書かれています。
第1項の「調整」の作業には、原材料が目詰まりした場合の原材料の除去や異物の除去等、機械の運転中に発生する不具合を解消するための一時的な作業や機械の設定のための作業が含まれること。
……目詰まりの除去。異物の除去。
現場でいちばん「ちょっとだけだから」と手が出るやつです。
- ワークが引っかかってるから、指で押し込んで直す
- 切粉が溜まってるから、動いてる横からサッと払う
- センサーの前に部品が寄ってるから、動かしてやる
これ全部、危険があるなら止めてから、というのが法律の建て付けです。しかもこの「調整」は、平成25年10月にわざわざ追加された項目です。それだけ事故が起きていた、ということだと思います。
数字も見ておきます(煽らずに、正確に)
厚生労働省の「令和7年の労働災害発生状況」(令和8年5月公表)を見ると、製造業で休業4日以上のけがをした人は26,371人。そのうち、事故の型でいちばん多いのが──
製造業の労働災害・事故の型 上位3つ(令和7年・休業4日以上)
| 順位 | 事故の型 | 死傷者数 |
| 1位 | はさまれ・巻き込まれ | 5,992人 |
| 2位 | 転倒 | 5,732人 |
| 3位 | 墜落・転落 | 2,917人 |
製造業の死傷者数は合計26,371人。「はさまれ・巻き込まれ」だけで約23%を占めます。
ちなみに全産業で見ると1位は「転倒」(37,195人)で、はさまれ・巻き込まれは3位です。製造業だけ、型の順番が違う。
つまり私たちの職場は、「機械に手を出したときに起きるけが」が最も多い場所だということです。
怖がらせたいわけじゃありません。ただ、「止めるのが面倒」と感じるあの一瞬が、統計でいちばん厚いゾーンに乗っているというのは、知っておいて損はないと思います。
そして、ここが大事 ― 正しく止めたあなたを責めるほうが、筋が通らない
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。
さっきの107条、主語が「事業者は」になっています。つまり、機械を止める義務を負っているのは、会社の側です。
だから、あなたが安全のために正しく止めたことを、頭ごなしに責めるのは筋が通りません。あなたは会社が守るべきルールを、代わりに守っただけです。
もちろん、現場でそう堂々と言い返すのは難しいですよね。分かります。ただ、心の中に後ろ盾を1枚持っておくだけでも、だいぶ違います。「私が悪いのかな」と抱え込まずに済むので。
なお、労働安全衛生法の第26条では、労働者の側にも、事業者が講じる措置に応じて必要な事項を守る義務があるとされています。止めるルールを守るのは、あなたを守る義務でもある。ここは片側だけの話じゃないんです。
ここまでが「例外なく止める」話です
安全に関わる場面の答えは、ひとつだけです。止めて、呼んで、待つ。待たされていようが、生産が落ちていようが、ここは動かしません。
ここから先は「安全とは関係ない、判断に迷う場面」の話をします。
ちなみに同じ安衛則には、作業を始める前の"装備"についての条文もあります。「手袋を外して」と言われる理由が気になる人は、こちらもどうぞ。
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手袋をしてはいけない作業がある|素手が怖いときにできること
手袋を外せと言われても、素手は怖い。法令が禁じているのは手袋そのものではなく、巻き込まれるおそれのある場面のほうでした。
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「後で行く」と言う社員を、悪者にしないでほしい
判断の話に入る前に、どうしても先に書いておきたいことがあります。
「今、手が回らないから後で行く」と言う社員も、たぶん困っています。
こっちからすると「早く来てよ」でしかないんですけど、相手を見てみると、だいたいこうなっています。
- 同じ時間に、別のラインでも呼ばれている
- 会議や報告書、月末の締めを抱えている
- そもそも、異常に対応できる人が職場に数人しかいない
人が足りていないんですよね。これは個人の性格の問題じゃなくて、体制の問題です。
ここを「あの人が来ないせい」にしてしまうと、記事としても、現場の動き方としても、たぶん間違えます。
なぜかというと、この後で説明する「時間の宣言」という手が、相手を敵だと思っていると絶対に使えないからです。あれは、相手と組む技なので。
なので、この記事では上司や社員を悪者にしません。「来ない人 vs 待たされる人」ではなく、「同じ目的を持っている二人が、うまく連携できていないだけ」と捉えてください。ここが出発点になります。
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工場の人間関係がしんどいあなたへ|辞めずに距離を取る方法と、我慢しなくていいライン
固定の持ち場だと、合わない人からも逃げられません。辞めずに距離を取る方法と、我慢しなくていいラインをはっきりさせました。
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判断の軸は「全員が、同じ目的を見ているか」
さて、本題です。安全に関わらない場面で迷ったとき、私が使っている判断の軸はこれです。
「今の自分の行動は、この場の全員が共有している目的から、ズレていないか」
具体的に見てみます。
たとえば、ラインで異常が出て止めた。社員を呼んだ。「後で行く」と言われた。10分経っても来ない。このとき、この場の目的は何でしょうか。
たぶん、「トラブルによる停止時間を、できるだけ短くすること」ですよね。あなたも、来ない社員も、その上の人も、たぶん全員がそこを見ています。だとしたら──
これは全部「目的に沿っている」行動
- 待っている間に、他に分かる人がいないか探す
- 手順書やマニュアルで、同じ症状の対処を調べる
- 前に同じことがあったか、周りに聞いてみる
- 原因の見当をつけて、社員が来たときすぐ渡せるように整理しておく
これ、全部「勝手なこと」じゃないんです。全部、停止時間を短くする方向を向いています。
だから「なぜ待たなかったんだ」と責められることは、私の経験ではまずありませんでした。むしろ、社員が来たときに「もう調べてあります」と言えると、その人の仕事が減るので、喜ばれます。
逆に、目的からズレる行動というのは、こういうものです。
- 早く終わらせたくて、原因を確かめずに動かしてみる → 目的は「停止時間を短くすること」であって「今すぐ動かすこと」ではない
- 誰にも言わずに設定を変える → 後で原因が追えなくなる=結果的に停止時間が延びる
- とりあえず良品っぽいので流す → 品質不良になれば、停止どころの損失じゃ済まない
同じ「自分で動く」でも、向いている方向がまるで違うのが分かるでしょうか。
正直に言うと、何が絶対的に正しいかなんて、私にも分かりません。でも、目的や目標からズレていなければ、それはたぶん正解だと思っています。
みんな、目的を持って仕事をしています。その目的さえ見失わなければ、大きく外すことは少ないはずです。
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工場の新人が"信頼される人"になるには ― 大事なのは「向上心」と「挑戦心」の2つだけ
言われたことしかできず、暇な時間に自分の存在を消してしまう。新人がそこから抜けるのに要るのは、器用さではなく2つだけでした。
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迷ったときに使える線引き、3つ
とはいえ、「目的を見よう」だけだと、その場で使いづらいですよね。
なので、実際に手が止まったときに順番に確かめる3つの線引きを用意しました。上から順に見ていってください。
線引き1
安全か、品質に関わるか? → YESなら、例外なく止める
線引き2
元に戻せるか? → 戻せないなら、やらない
線引き3
時間を宣言したか? → これが最強です
① 安全か、品質に関わるか? → YESなら、例外なく止める
ここは考えません。判断しないことが、判断です。
ひとつでも当てはまったら、止めて待つ
- 機械の可動部に手や体が入る
- カバーや安全装置を外す必要がある
- 感電・高温・高圧・薬品に触れる可能性がある
- 出荷される製品の品質に影響する
待たされていようが、生産が落ちていようが、止めて待ちます。ここを破って通ってしまうと、次から線が引けなくなります。
さっきの107条の話は、まさにここです。
② 元に戻せるか? → 戻せないなら、やらない
安全にも品質にも関わらない。じゃあ次はこれです。
「もし外したとき、元の状態に戻せますか?」
| 戻せる(試してもいい寄り) | 戻せない(やらない) |
| 調べる・記録する・写真を撮る | 設定値・パラメータを書き換える |
| 人に聞く、マニュアルを見る | 部品を外す・交換する |
| 目視で状態を確認する | データを上書き・削除する |
| 元の位置を控えてから触る | 治具の位置を控えずに動かす |
ポイントは、触る前に今の状態を記録しておけば、「戻せる側」に変えられることです。
位置を写真に撮る。数値をメモする。それだけで、多くのことが「やってみてもいい」側に移ります。地味ですが、これがいちばん効きます。
3つ目が本命なので、見出しを分けます。
いちばん効くのは「時間の宣言」― "勝手にやった"を"合意のうえでやった"に変える
これを覚えて帰ってもらえたら、この記事は成功です。
社員を呼んで「後で行く」と言われたとき、そこで会話を終わらせないでください。こう返します。
この一言だけ、覚えて帰ってください
「わかりました。じゃあ10分待って来られなそうなら、まず自分で調べて、分かったことを報告します。それでいいですか?」
これだけです。何が起きるかというと──
「勝手にやった」が「合意のうえでやった」に変わります。
同じ行動をとっても、扱いがまるで違うんです。事前に言ってあれば、それは独断ではなく、その場で決めた段取りになります。
しかも、これは相手にとってもありがたい話です。「後で行く」と言った側は、内心「いつ行けるか分からないな」と思っていることが多い。そこに「10分で区切ります」と言ってもらえると、相手も判断しやすくなります。
言い方は、場面に合わせてこんな感じで。
- 「先に調べておくので、手が空いたら見てもらえますか」
- 「5分で分かる範囲だけ確認して、ダメそうならまた呼びます」
- 「ここまでは触りますけど、この先は触らずに待ちます、でいいですか?」
- 「もし来られなそうなら、〇〇さんに聞いてもいいですか?」
最後のやつ、地味に強いです。「他の人に聞く許可」を先に取っておくと、待ち時間の使い道が一気に増えます。
コツは3つ。
- 必ず数字を入れる(「後で」ではなく「10分」)。あいまいな時間は、あとで揉めます
- やる範囲も一緒に言う(「調べるだけ」「触らずに確認だけ」)。どこで止まるかを相手に見せる
- 相手の返事をもらう(「それでいいですか?」)。ここまでやって、はじめて"合意"になります
もし「ダメ、待ってて」と言われたら? そのときは待ちましょう。それでいいんです。
だって、その場合に生産が落ちた責任は、あなたにはもうありません。あなたは提案して、判断を仰いで、指示に従っただけです。これも立派な成果です。
つまり、この宣言はどっちに転んでもあなたを守ります。やっていいと言われれば動ける。ダメと言われれば責任が外れる。使わない手はないと思いませんか。
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工場の仕事が覚えられない…「前も言ったよね」が怖いあなたへ
「前も言ったよね」が怖くて、もう聞き直せない。でも教える側が見ているのは、前回の3〜5割が残っているかどうかだけでした。
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「待つ」は、突っ立っていることじゃない
ここまで来ると、冒頭の「"待つ"の中身を勘違いしていると詰みます」の意味が見えてきたと思います。
「待つ」=何もせずに立っていること、ではありません。
正確には「勝手に手を出さずに、指示を待つ」であって、手を止めることと、頭を止めることは別です。
待っている間にできることは、けっこうあります。
待ち時間にできること
- 状況を記録する(何時に、どの工程で、どんな症状が出たか。写真があればなお良い)
- 手順書・マニュアルの該当ページを開いておく
- 前に同じことがなかったか、近くの人に聞く(※聞くだけなら、手は出していません)
- 社員が来た瞬間に渡せるよう、情報を1枚にまとめておく
- 止まっている間にできる別の作業があるなら、それを進めていいか確認する
- 再発防止のヒントになりそうなことを、自分用にメモしておく
これをやっておくと、社員が来たときの第一声が変わります。
「すみません、止まってます」ではなく、
「〇時ごろから、この症状で止まっています。手順書のここを見ましたが該当がなくて、△△さんは前に似たことがあったと言っていました」
……どちらが「呼ばれてよかった」と思われるかは、言うまでもないですよね。
そして地味ですが、これはあなたの評価にも効きます。待たされた時間が、丸ごと準備の時間に変わるので。
自分で解決できたときほど、報告を飛ばさない
最後にひとつ、いちばんやりがちな失敗の話をします。
自分でなんとかできたとき、報告を飛ばしてしまうこと。
気持ちは分かります。うまくいったんだから、わざわざ言わなくてもいいか。忙しそうだし。むしろ「勝手にやった」と怒られるかもしれないし。
でも、ここを飛ばすと、せっかくの行動が"信頼"に変わりません。それどころか、後で発覚したときに「黙ってやっていた」になります。同じ行動なのに、評価が真逆になるんです。
なので、解決できたときこそ報告してください。長くなくていいです。
報告のテンプレート(これくらいで十分)
「さっきの件、10分待っても手が空かなそうだったので、〇〇を確認したら△△が原因でした。□□して復旧しています。触ったのはここまでです。」
この最後の「触ったのはここまで」が効きます。どこまで自分がやったかを明示すると、相手は状態を把握できるので安心します。
報告までがワンセットです。「止める・呼ぶ・待つ」に、私は勝手に「報せる」を足しています。
そしてこれを続けていくと、だんだんこうなります。
「あれくらいなら、あなたの判断でやっていいよ」
任される範囲が広がる。これが、この板挟みからいちばんきれいに抜ける道だと思っています。ルールを破って抜けるんじゃなくて、任される側に回ることで抜ける。
ちなみに、ここで怒られてしまったとき、どうやって立て直すかは別の記事に書きました。落ち込みやすい人ほど、先に読んでおくと少し楽になるかもしれません。
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工場でミスをするのが怖い・落ち込むあなたへ|「甘え」じゃない理由と、今日からできる立て直し方
ミスをしてから、次に手が動かなくなる。あれは気の持ちようではありません。なぜそうなるのかと、今日からできる立て直し方を書いています。
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そしてもうひとつ。そもそも「その作業、やったことがないです」と先に言えていれば、この場面自体を減らせます。言えない理由と、そのまま使える言い方はこちらに書きました。
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工場で「やったことないです」が言えない ― YESマンが一番損をする理由
やったことのない作業を頼まれて、つい「はい」と言ってしまう。その一言が、本来受けられるはずの教育を消していることがあります。
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※そもそも「記録に何をどう書くのか」でつまずいている人は、こちらもどうぞ。異常を見つけたあと、どう書き残せば話が止まらないかをまとめています。
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工場の検査記録は何のために書くのか|意味が分かると漏れが減る
チェックシートが、作業を増やすだけの仕事に見える。何のために書いているのかが分かると、書き方も、見るべき場所も変わります。
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※もうひとつ。異常が「設備」ではなく「自分の体」のときも、同じ話です。ただし体調のほうは、そもそも「誰に言うのか」が職場で決まっていないことがあります。夏の暑さでしんどいときの話は、こちらに書きました。
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工場の暑さを我慢していませんか|熱中症は「気合い」ではなく決まりごとの話です
室温40度の現場で「暑いので休ませてください」が言えない。でもそれは気合いの話ではなく、決まりごとの話です。2025年6月から義務になったことまで、厚労省の資料で確かめます。
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判断できる範囲は、知識で広がります
もう少しだけ、先の話をします。
ここまで「目的を見る」「線引きをする」という考え方の話をしてきました。でも正直なところ、判断できる範囲そのものは、知識の量で決まります。
たとえば同じトラブルでも、
- 電気の仕組みが分かっていれば「これは触っていい/これは絶対ダメ」の線が自分で引ける
- 設備の構造が分かっていれば、原因の見当をつけて社員に渡せる
- 危険物や安全衛生の知識があれば、「これはリスクがある」と根拠を持って言える
知識があると、線引きの①(安全・品質)で止まる回数が減ります。逆に言うと、知らないから全部を「触っちゃダメなやつ」に分類するしかない。それはそれで正しいんですが、しんどいですよね。
しかも現場の資格は、手当がついたり、任される仕事が変わったりします。判断の幅と収入が、同時に動くことがある。
どの資格が現場で効きやすいかは、こちらの記事に整理しています。
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工場で"手当がつく"資格はどれ?|同じ資格が0円にもなる、外さない選び方
資格を取れば手当がつく、とは限りません。同じ乙4でも0円の会社があります。限られた時間とお金で外さないための、資格の選び方です。
続きを見る
※資格は取れば必ず手当がつくというものではありません。自分の職場でどの資格に手当がつくかを、先に就業規則や上司に確認してから選ぶのがおすすめです。
それでも、呼んでも誰も来ない職場なら ― それはあなたの努力の問題じゃない
ここまで書いてきた話には、前提があります。「全員が同じ目的を見ている」という前提です。
でも、その前提が成り立っていない職場も、残念ながらあります。
- 呼んでも、本当に誰も来ない。何十分でも放置される
- 止めたことを、安全の話なのに怒られる
- 聞ける人がそもそもいない。教える人が誰もいない
- 「勝手にやるな」と「なんで止まってる」を、同じ人が同じ日に言う
- 目的を聞いても、人によって答えが違う
こうなると、あなたがどれだけ上手に判断しても、報われにくくなります。どこを向いても正解がないので。
はっきり言いますが、これは体制の問題であって、あなたの能力の問題じゃありません。異常に対応できる人が足りていない、教育の仕組みがない、目的が共有されていない。全部、個人ががんばって埋められる範囲を超えています。
だから、もし今の職場がこれに当てはまるなら、「自分に合う職場を探す」のも、ちゃんとした選択肢のひとつです。
すぐに辞めろという話ではないです。ただ、外の職場がどうなっているかを知っておくだけでも、「うちが普通なのかどうか」の物差しができます。それだけで、だいぶ気持ちが楽になることがあります。
まとめ:迷ったら、「目的からズレていないか」だけ見る
長くなったので、まとめます。
この記事のまとめ
- 正解は今でも「止める・呼ぶ・待つ」。これは変えない
- ただし安全・品質に関わることは例外なく止める。法律(安衛則107条)で会社に義務がある話で、「ちょっと詰まりを取る」もその対象
- 判断の軸は「全員が同じ目的を見ているか」。目的からズレていない行動は、そうそう責められない
- 迷ったら線引き3つ:①安全・品質に関わるか ②元に戻せるか ③時間を宣言したか
- いちばん効くのは「時間の宣言」。「10分待って来なければ、調べて報告します」で、"勝手に"が"合意のうえで"に変わる
- 「待つ」は突っ立つことじゃない。記録する、調べる、聞く、まとめる
- 解決できたときほど報告する。これが積み重なると、任される範囲が広がる
- 呼んでも誰も来ない職場は、体制の問題。あなたの努力の問題じゃない
明日、また同じ場面が来たら、まずこれだけ思い出してください。
「今、みんなが見ている目的はなんだろう」
それさえ外していなければ、大丈夫だと思います。少なくとも私は、その基準でずっとやってきました。
一緒にがんばりましょう。
それから、止めて・呼んで・待つしかできない自分がつらいときは、こちらに書きました。
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工場の新人で、仕事ができないのがつらい。その「1ヶ月」は誰が決めた締切ですか
工場の新人で、まわりに追いつけないのがつらい。ラインでは「あと何秒足りないか」が毎日出るのに、「いつまでにできれば正常か」はどこにも出ていません。国が定めた技能の物差しと、止めて・呼んで・待つしかできなかった私の話です。
作業が始まる前に止める、という判断もあります。
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危険な作業に線を引いているのは、人ではなく作業のほうでした——「派遣の人に任せていいのか」で止まる日に
先に、いちばん知りたいところに答えます。 この記事の結論 その作業を任せていいかどうかは、雇用形態では決まりません。決まるのは、作業のほうです。 目次 「これ、この人に任せていいのか」——決めているの ...
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この記事の出典
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(昭和47年労働省令第32号)第107条
https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 - e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(昭和47年法律第57号)第26条
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 - 厚生労働省「平成25年10月1日から、機械の『調整の作業』が、機械の運転停止義務の範囲に追加されます(安衛則第107条)」(平成25年4月12日付 基発第0412第13号)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/pamphlet_107_0919.pdf - 厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(令和8年5月27日)/別添「別表4 業種、事故の型別死傷災害発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73382.html